著作権 ©2000 W3C® (マサチューセッツ工科大学, フランス国立情報処理自動化研究所, 慶應義塾大学). すべての権利が留保されている。W3Cの免責(liability), 商標(trademark), 文書利用(document use), ソフトウェア使用許諾(software licensing)規則が適用される。
この仕様書は、HTML 4 を XML 1.0 アプリケーションとして再定式化したXHTML 1.0 と、HTML 4 によって定義されているものに対応する3つのDTDとを定義するものである。要素やその属性の意味論は、HTML 4 についてのW3C勧告において定義されている。これらの意味論は、XHTMLの将来的な拡張性の基礎を提供する。既存のHTMLユーザエージェントとの互換性は、小さいガイドラインの集合に従うことにより可能である。
この節は、この文書の公開時における位置づけを説明したものである。他の文書がこの文書に取って代わるかもしれない。この文書シリーズの最新の位置づけは、W3Cにおいて維持管理されている。
この文書は、W3C会員及びその他の利害関係者によりレビューされ、ディレクターによってW3C勧告として公布されているものである。この文書は安定的な文書であって、参照素材として利用したり、他の文書から規範的リファレンスとしての引用に用いてもかまわない。勧告作成におけるW3Cの役割は、仕様に対する注意を引き、その広範な配備を推進することにある。このことはウェブの機能と相互運用性とを高める。
この文書は W3C HTMLアクティビティの一部として作成されているものである。HTMLワーキンググループ(メンバー専用)の目標は、HTMLワーキンググループ憲章(メンバー専用)に論じられている。
現行のW3C勧告及びその他の技術文書の一覧は http://www.w3.org/TR で見ることができる。
HTMLの機能に関する公開の議論は、メーリングリスト www-html@w3.org (アーカイブ)で行われている。
この文書[原文]のエラーは www-html-editor@w3.org までレポートいただきたい。
この文書[原文]の既知のエラーの一覧は http://www.w3.org/2000/01/REC-xhtml1-20000126-errata で入手できる。
XHTMLは、HTML4 [HTML] を再生産し、サブセット化し、拡張する現在及び将来の文書型及びモジュールのファミリーである。XHTMLファミリーの文書型はXMLベースであり、究極的にはXMLベースのユーザエージェントと結びついて機能するよう設計されている。このファミリーやその進化の詳細は、将来的な方向性に関する節でさらに詳しく論じられる。
XHTML 1.0 (この仕様書) は、XHTMLファミリーにおける初めての文書型である。これは、3つのHTML4文書型を XML 1.0 [XML] のアプリケーションとして再定式化したものである。XHTML 1.0 は、XML適合でもあり、かつ、いくつかの単純なガイドラインに従えばHTML4適合ユーザエージェントでも機能するコンテンツのための言語として使われることが予定されている。コンテンツを XHTML 1.0 に移り住ませた開発者は、以下の利点を実感するであろう。
XHTMLファミリーは、インターネットの進化における次の一歩である。今日XHTMLに移り住むことにより、コンテンツ開発者は、コンテンツの後方互換性や将来的な互換性に自信をもちながら、XMLワールドに入り、その付随する利点のすべてを享受することができる。
HTML4 [HTML] は、国際規格ISO 8879 に適合したSGML (Standard Generalized Markup Language) アプリケーションであり、広くワールド=ワイド=ウェブの標準的なパブリッシング言語とみなされている。
SGMLは、マークアップ言語、とりわけ電子文書の交換や文書管理、文書パブリッシングに使われるマークアップ言語を記述するための言語である。HTMLは、SGMLによって定義された言語の一例である。
SGMLは1980年代半ば以降普及し、きわめて安定性を保っている。この安定性の多くは、言語が機能に富み、かつ柔軟でもあるという事実によっている。しかしながら、この柔軟性は一定のコストによりもたらされるものであり、そのコストとは、ワールド=ワイド=ウェブを含め多様な環境での採用の妨げとなるレベルの複雑さのことである。
HTMLは、もともとそのように考えられていたのだが、文書の専門家でない人々による利用に適した、科学的その他技術的文書の交換のための言語であるべきものであった。HTMLは、SGMLの複雑さの問題を、比較的単純な文書を制作するのに適した構造的タグや意味論的タグの小さいセットを規定することにより処理した。文書構造を単純化したことに加えて、HTMLはハイパーテキストのサポートを追加した。マルチメディア機能が後に追加された。
非常に短い時間のうちに、HTMLはおそろしく普及し、急速に元々の目的からはみ出して成長した。HTMLの始まり以来、(標準規格としての)HTML内部で利用したり、HTMLを垂直的で高度に特化された市場に適合させるための新しい要素が急速に発明されてきた。この新しい要素の過剰は、異なるプラットフォーム間での文書の互換性問題にまて至っている。
ソフトウェア、プラットフォーム両者の異類混交性が急速に増殖するに伴い、これらのプラットフォームで利用することについて「クラシック」なHTML4の適性は幾分か限定されることが明らかである。
XML™ は、拡張可能マークアップ言語(Extensible Markup Language)の短縮形であり、Extensible Markup Language の頭字語である [XML]。
XMLは、SGMLの複雑さのほとんどを抜きにしてSGMLの力と柔軟性とを取り戻す手段として考えられていた。SGMLの制限形式であるにもかかわらず、XMLはSGMLの力と機能の豊富さとのほとんどを保持し、なおも一般に使われているSGMLの機能のすべてを残している。
これらの役に立つ機能を残しつつも、XMLは、適したソフトウェアの製作や設計を困難でコストのかかるものにしているもっと複雑なSGMLの機能を多数取り除いている。
XHTML 1.0 へ移り住むことの利点は、上記に説明されている。一般的にXHTMLへ移り住むことの利点のいくつかを挙げると、つぎのようなものがある。
以下の用語はこの仕様書の中で使われているものである。これらの用語は、ISO/IEC 9945-1:1990 [POSIX.1] での類似の定義に基づいて [RFC2119] での定義を拡張している。
このバージョンのXHTMLは、厳密適合XHTML文書の定義を用意する。この厳密適合XHTML文書とは、XHTML名前空間に由来するタグと属性とに制限されているものである。XHTMLを他の名前空間と一緒に使って、たとえばXHTML文書の中にRDFで表記されたメタデータを組み込むことに関する情報については、第3節第1項2を見よ。
厳密適合XHTML文書とは、この仕様書で義務的なものとして説明されている装備のみを要求する文書である。そうした文書は、以下の評価基準のすべてに合致しなければならない。
付録Aにある3つのDTDのうち1つに照らして正当化されなければならない。
文書のルート要素は <html>
でなければならない。
文書のルート要素は、xmlns
属性を使うXHTML名前空間 [XMLNAMES] を指し示さなければならない。XHTMLを表す名前空間は http://www.w3.org/1999/xhtml
と定義されている。
ルート要素に先立って、文書の中に DOCTYPE 宣言が1個なければならない。DOCTYPE 宣言に組み込まれる公開識別子は、付録Aにある3つのDTDのうち1つを、それぞれの公式公開識別子を使って参照しなければならない。システム識別子は、ローカルシステム慣習を反映するために変更されてもかまわない。
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" "DTD/xhtml1-strict.dtd"> <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "DTD/xhtml1-transitional.dtd"> <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Frameset//EN" "DTD/xhtml1-frameset.dtd">
こちらは、最小のXHTML文書の例である。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" "DTD/xhtml1-strict.dtd"> <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja"> <head> <title>バーチャル図書館</title> </head> <body> <p><a href="http://vlib.org/">vlib.org</a> へ移転しました。</p> </body> </html>
この例ではXML宣言が組み込まれていることに注意してほしい。上記のようなXML宣言は、すべてのXML文書に必須というわけではない。XHTML文書の制作者は、すべての文書でXML宣言を使うよう強く奨励される。文書のキャラクタエンコーディングがデフォルトの UTF-8 か UTF-16 以外のものであるときは、そうした宣言は必須である。
そうした文書は上記に定義した厳格適合 XHTML 1.0 文書ではないけれども、XHTML名前空間は、[XMLNAMES]に従って他のXML名前空間と一緒に使ってもかまわない。W3Cによる将来の作業により、複数の名前空間を巻き込む文書についての適合性を規定する方法を処理されるであろう。
以下の例は、XHTML 1.0 をMathML勧告と結合して利用できる方法を示したものである。
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja"> <head> <title>数学の例</title> </head> <body> <p>以下はMathMLマークアップである。</p> <math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML"> <apply> <log/> <logbase> <cn> 3 </cn> </logbase> <ci> x </ci> </apply> </math> </body> </html>
以下の例は、XHTML 1.0 マークアップを他のXML名前空間に統合できる方法を示したものである。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!-- 初期的にはデフォルト名前空間は "books" である --> <book xmlns='urn:loc.gov:books' xmlns:isbn='urn:ISBN:0-395-36341-6' xml:lang="ja" lang="ja"> <title>まとめ買いでおトクに</title> <isbn:number>1568491379</isbn:number> <notes> <!-- ハイパーテキストの注釈についてHTMLをデフォルトの名前空間にする --> <p xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'> これは <a href="http://www.w3.org/">オンライン</a> でもお求めになれます。 </p> </notes> </book>
適合ユーザエージェントは、以下の評価基準のすべてに合致しなければならない。
ID
型の属性(たとえばほとんどのXHTML要素上の id
属性)のみを認識すべし。
XMLプロセッサは、アプリケーションへ渡されるいろいろなシステムの行末コードを、単一の行送りキャラクタへと通常化する。XHTMLユーザエージェントはさらに、以下のキャラクタを空白として扱わなければならない。
'xml:space' 属性が 'preserve' に設定されている要素では、ユーザエージェントは(先頭及び末尾の空白キャラクタを例外として。これらは除去されるべきである。)すべての空白キャラクタに手をつけずにおかなければならない。それ以外の場合には、空白は以下の規則に従って処理される。
属性値の中の空白は、[XML] に従って処理される。
XHTMLがXMLアプリケーションであるという事実のために、SGMLベースのHTML4 [HTML] では完全に合法であった一定の慣習が変更されなければならない。
整形式性は、[XML] によって導入された新しい概念である。本質的には、これは、すべての要素が終了タグを持つか(後述のとおり)特殊な形式で書かれるかしなければならず、またすべての要素がネストしていなければならないという意味である。
重なり合いはSGMLでも違法であったが、既存のブラウザでは広く容認されていた。
正: 要素がネストされている。
<p>こちらは強調されている<em>段落</em>です。</p>
誤: 要素が重なり合っている。
<p>こちらは強調されている<em>段落</p>です。</em>
XHTML文書は、すべてのHTML要素名及び属性名に小文字を使わなければならない。この相違点が必要なのは、XMLが大文字小文字を区別し、たとえば <li> と <LI> とは異なるタグだからである。
SGMLベースのHTML4では、一定の要素は終了タグを省略することが許されていた。そうした要素には黙示的な閉鎖がついていたのである。この省略は、XMLベースのXHTMLにおいては許されない。DTDの中で EMPTY
として宣言されているものを除き、すべての要素が終了タグをもたなければならない。
正: 要素が終結している。
<p>こちらに段落があります。</p><p>こちらにもう一つ段落があります。</p>
誤: 要素が終結していない。
<p>こちらに段落があります。<p>こちらにもう一つ段落があります。
属性値はすべて、たとえ数値のように見えるときであっても、引用符で括られなければならない。
正: 属性値が引用符で括られている。
<table rows="3">
誤: 属性値が引用符で括られていない。
<table rows=3>
XMLは、属性最小化をサポートしていない。属性-値のペアは完全形式で書かれなければならない。compact
や checked
といったような属性名は、その値を指定するのでなければ要素の中に出現することができない。
正: 属性が最小化されていない。
<dl compact="compact">
誤: 属性が最小化されている。
<dl compact>
空要素は、たとえば、<br/>
や <hr></hr>
のように、終了タグをもつか、あるいは開始タグが />
で終わっているかでなければならない。これがHTML4ユーザエージェントと後方互換的であることを確かめる方法に関する情報については、HTML互換性ガイドラインを見よ。
正: 空タグが終結している。
<br/><hr/>
誤: 空タグが終結していない。
<br><hr>
属性値の中では、ユーザエージェントは、属性値から先頭及び末尾の空白を剥ぎ取り、1個以上の空白キャラクタ(改行を含む)が連なったものは単一の単語間スペース(西洋文字ではASCIIスペースキャラクタ)に割り付けることになる。[XML] の第3節第3項3 を見よ。
XHTMLでは、スクリプト要素やスタイル要素は、#PCDATA
を持つものとして宣言される。結果として、<
や &
は、マークアップの始まりとして扱われ、<
や &
といったような実体は、実体参照としてXMLプロセッサがそれぞれ <
や &
に認識することになる。スクリプト要素やスタイル要素の内容を CDATA
マークされた部分の中に包み込むことにより、これらの実体の展開が避けられる。
<script> <![CDATA[ ... エスケープされていないスクリプト内容 ... ]]> </script>
CDATA
部は、XMLプロセッサにより認識され、文書オブジェクトモデルの中ではノードとして出現する。DOM1勧告 [DOM] の第1節第3項を見よ。
代替策は、外部スクリプトやスタイル文書を使うことである。
SGMLは、DTDの筆者に、特定の要素がある要素の中に包含されないよう排除する能力を与えている。そうした禁止(「排除」と呼ばれる)は、XMLでは不可能である。
たとえば、HTML 4 Strict DTD は、'a
' 要素の中に他の 'a
' 要素をネストすることを、子孫の深さを問わず禁止している。そうした禁止をXMLで綴ることは不可能である。これらの禁止をDTDの中で定義することはできないが、一定の要素はネストされるべきではない。そうした要素や、そうした要素の中にネストされるべきではない要素をまとめたものは、規範的である付録Bで見られる。
HTML4は、a
, applet
, form
, frame
, iframe
, img
, map
要素について name
属性を定義している。またHTML4は、id
属性も導入している。これらの属性はともにフラグメント識別子として使われるよう設計されている。
XMLでは、フラグメント識別子は ID
型であり、要素ごとに ID
型の属性は1個しかありえない。したがって、XHTML 1.0 では、id
属性が ID
型として定義されている。XHTML 1.0 文書が適正に構築されたXML文書であることを保証するために、XHTML 1.0 文書は、フラグメント識別子を定義するときには、歴史的には name
属性ももっている要素であっても、id
属性を使わなければならない。XHTML文書がメディア型 text/html
として配布されるときにそうしたアンカーが後方互換であることを保証することに関する情報については、HTML互換性ガイドラインを見よ。
XHTML 1.0 では、これらの要素の name
属性は公式には廃止予定であり、後続バージョンのXHTMLでは取り除かれるであろうから、注意してほしい。
XHTML 1.0 文書が既存のユーザエージェントと互換的であるべしとの必要条件はないものの、実際にはこれは容易に達成できる。互換的な文書を作成するためのガイドラインは、付録Cで見ることができる。
この勧告の公開時まででは、XMLベースのアプリケーション用に推奨される一般的なMIMEラベリングは、まだ未解決である。
もっとも、付録C "HTML互換性ガイドライン" で打ち出されているガイドラインに従ったXHTML文書は、ほとんどのHTMLブラウザと互換的であるから、インターネットメディア型 "text/html" でラベル付けしてもよい。この文書は、その他のXHTML文書のMIMEラベリングについての勧告はしない。
XHTML 1.0 は、広範囲の新しいデバイスやアプリケーションをサポートするため、モジュールを定義し、これらのモジュールを組み合わせるメカニズムを指定することにより、XHTMLを拡張したりサブセット化する文書型のファミリーのための基礎を用意するものである。このメカニズムは、新しいモジュールの定義を通じた統一的な方法で XHTML 1.0 の拡張やサブセット化を可能にするであろう。
XHTMLの利用が伝統的なデスクトップユーザエージェントからその他のプラットフォームへと移行するにつれて、すべてのXHTML要素がすべてのプラットフォームで要求されることになるわけではないことが明らかである。たとえば、ハンドヘルドのデバイスや携帯電話は、XHTML要素のサブセットだけをサポートするのでもかまわない。
モジュラ化処理により、XHTMLは、さらに小さい要素セットが連なったものへと分解される。そうして、これらの要素を、いろいろなコミュニティの必要に沿うよう組み合わし直すことができるのである。
これらのモジュールは、今後のW3C文書で定義されることになる。
モジュラ化は、いくつかの利点をもたらす。
XHTMLをサブセット化するための形式面のメカニズムを提供する。
既存のXHTMLについて、形式面のメカニズムを用意する。
文書型間の変形を単純化する。
新しい文書型の中でモジュールを再利用するのを促進する。
文書プロファイルとは、文書のセットの文法や意味論を規定するものである。文書プロファイルに従うことが、相互運用性の保証の基礎を提供する。文書プロファイルは、たとえば使える画像フォーマットやスクリプトのレベル、スタイルシートのサポートなどはどのようなものかといったような、その型の文書を処理するために必要とされる装備を規定する。
製品設計者にとっては、このことから、多様なグループが独自の標準プロファイルを定義することが可能になる。
制作者にとっては、このことから、いろいろなクライアントのためにいろいろなバーションの文書をいくつか書く必要が事前に除去されることになる。
化学者や医者、数学者といったような特殊なグループにとっては、このことから、標準的なHTML要素に加えてその専門家の必要に連動した要素グループを利用するよう、特別なプロファイルを構築することが可能となる。
この付録は規範的である。
これらのDTDと実体セットとは、この仕様書の規範的部分を構成する。XML宣言やSGMLオープンカタログが一緒になった完全セットのDTDファイルは、この仕様書[原文]のzipファイルに組み込まれている。
これらのDTDは、HTML4 DTD を近似したものである。DTDがモジュラ化されるときには、さらにHTML4に密接に対応したDTD構築の方法が採用されることになる可能性が強い。
XHTML実体セットはHTML4用と同じものであるが、妥当な XML 1.0 実体宣言であるよう修正されている。ユーロ通貨記号を表す実体 (€
あるいは €
, €
) は特殊キャラクタの一部として定義されているので注意してほしい。
この付録は規範的である。
以下の要素には、包含できる要素についての禁止事項がある(第4節第9項を見よ)。この禁止事項は、すべてのネスト深度に適用される。すなわち、すべての子孫要素を含んでいるのである。
a
a
要素を包含してはいけない。
pre
img
, object
, big
, small
, sub
, sup
要素を包含してはいけない。
button
input
, select
, textarea
, label
, button
, form
, fieldset
, iframe
, isindex
要素を包含してはいけない。
label
label
を包含してはいけない。
form
form
要素を包含してはならない。
この付録は参考である。
この付録は、XHTML文書を既存のHTMLユーサーエージェントでレンダリングしたいと願う制作者のための設計ガイドラインをまとめたものである。
処理命令をレンダリングするユーザエージェントもあることを意識すること。もっとも、XML宣言が文書に組み込まれていないときには、文書はデフォルトのキャラクタエンコーディングである UTF-8 か UTF-16 しか使えないことにも注意すること。
たとえば <br />
や <hr />
, <img src="karen.jpg" alt="Karen" />
といったように、空要素の末尾の /
と >
との前にスペースを1個組み込むこと。また、たとえば <br />
といったように、空要素には最小化タグ文法を使うこと。これは、XMLで許容されている代わりの文法 <br></br>
は、多くの既存のユーザエージェントでは与えられる結果が一定しないからである。
内容モデルが EMPTY
ではない要素に空インスタンスが与えられる場合(たとえば空のタイトルや段落)には、最小化形式は使わないこと(たとえば <p />
は使わず <p> </p>
を使う)。
スタイルシートが <
か &
か ]]>
か --
かを使っている場合には、外部スタイルシートを使うこと。スクリプトが <
か &
か ]]>
か --
かを使っている場合には、外部スクリプトを使うこと。注釈の内容を黙って除去することがXMLパーサには許されていることに注意すること。したがって、文書を後方互換的にするために注釈の中にスクリプトやスタイルシートを「隠す」という歴史的な慣習は、XMLベースの実装では期待したとおりに働かない可能性が強い。
属性値の内部では改行や重複空白キャラクタは避けること。これらは、ユーザエージェントによって扱いが一貫しない。
文書の head
の中に2個以上の isindex
を組み込まないこと。isindex
要素は、input
要素の方が好まれて廃止の方向にある。
lang
属性と xml:lang
属性
要素の言語を指定するときには lang
と xml:lang
との双方を使うこと。xml:lang
属性の値が優先する。
XMLでは、"#foo"
という形式のフラグメント識別子で終わるURI [RFC2396] は、name="foo"
という属性をもつ要素を参照するのではない。それよりも、たとえばHTML4の id
属性といったような、ID
型として定義されている属性をもつ要素を参照するのである。多くの既存のHTMLクライアントは、このような ID
型属性の使用法をサポートしていないので、最大の前方互換性と後方互換性とを保証するために、これらの属性の両方について同一の値を補ってもかまわない。(例. <a id="foo" name="foo">...</a>
)
さらに、ID
型の属性の合法的な値のセットは、CDATA
型のものよりも遙かに小さいから、name
属性の型は NMTOKEN
に変更されている。この属性は、ID
型か、XML 1.0 第2節第5項の生成規則5にある Name
生成規則かと同じ値しかとれないよう制約されている。残念ながら、この制約は XHTML 1.0 DTD の中に表記することができない。この変更のせいで、既存のHTML文書を変換するときには注意を払わなければならない。これらの属性の値は、文書内部で一意的であり、妥当でなければならず、もしも変換の間に値が変更される場合には、これらのフラグメント識別子(内部てきなものも外部的なものも)への参照はどれも更新されなければならない。
最後に、XHTML 1.0 は a
, applet
, form
, frame
, iframe
, img
, map
要素の name
属性を廃止予定としており、後続バージョンのXHTMLからは除去されるであろうから注意すること。
文書の中でキャラクタエンコーディングを指定するためには、xml 宣言でのエンコーディング属性の指定 (例. <?xml version="1.0" encoding="EUC-JP"?>
) と meta http-equive ステートメント (例. <meta http-equiv="Content-type" content='text/html; charset="EUC-JP"' />
) とを両方とも使うこと。xml処理命令のエンコーディング属性の値が優先する。
HTMLユーザエージェントによっては、ブール値属性が完全(非最小化)形式で出現したとき、XML 1.0 で要求されているとおりに解釈できないものがある。この問題は、HTML4に準拠したユーザエージェントには影響を及ぼさないことに注意してほしい。以下の属性が関係する。compact
, nowrap
, ismap
, declare
, noshade
, checked
, disabled
, readonly
, multiple
, selected
, noresize
, defer
.
文書オブジェクトモデル第一水準勧告 [DOM] は、XMLやHTML4のための文書オブジェクトモデルインターフェイスを定義している。HTML4文書オブジェクトモデルは、HTML要素名及び属性名は大文字で返されることを規定している。XML文書オブジェクトモデルは、要素名及び属性名は、それらが指定されている文字で返されることを規定している。XHTML 1.0 では、要素や属性は小文字で指定される。この明白な相違点は、2つの方法で処理することができる。
text/html
としてDOM経由で配布されるXHTML文書にアクセスするアプリケーションは HTML-DOMを使うことができ、そのインターフェイスからは要素名や属性名が大文字で返されることを当てにすることができる。
text/xml
または application/xml
として配布されるXHTML文書にアクセスするアプリケーションは、XML-DOMを使うこともできる。要素や属性は、小文字で返されることになる。また、XHTML要素によっては、内容モデルにおいて任意的であるため、オブジェクト樹に出現したりしなかったりするものもある(例. table
要素内の tbody
要素)。このことは、HTML4では、いくつかの要素で、開始タグと終了タグとを両方とも省略されるよう最小化することが許されていた(SGMLの特徴)ために発生する。これはXMLでは起こりえない。無関係な要素を挿入するよう文書制作者に要求する代わりに、XHTMLは要素を任意的なものとしている。アプリケーションは、きちんとこれに対応する必要がある。
属性値にアンパサンドが含まれているとき、アンパサンドはキャラクタ実体参照(例. "&
")として表記しなければならない。たとえば、a
要素の href
属性が、パラメータをとるCGIスクリプトを参照しているときには、http://my.site.dom/cgi-bin/myscript.pl?class=guest&name=user
ではなく http://my.site.dom/cgi-bin/myscript.pl?class=guest&name=user
と表記しなければならない。
カスケーディングスタイルシート第二水準勧告 [CSS2] は、HTML文書やXML文書の解析樹に適用されるスタイルプロパティを定義している。解析の際の相違点は、使われているセレクタ次第で視覚的または聴覚的に、異なる結果を生み出すことになる。以下のヒントは、両方のメディア型としての修正がないまま配布される文書について、この効果を小さくすることであろう。
この付録は参考である。
この仕様書は、W3C HTMLワーキンググループのメンバーの参加を得て書かれたものである。
この付録は参考である。